ダメなおじさんの、ダメな人生 その6

僕が入社したその会社は、地元では割と知られた会社で、

「良い会社に入れたねぇ〜」

などと言われました。

しかし、実際は超絶スーパーブラック企業だったのです。

入社してすぐに会社の説明会があり、親会社の説明がありました。

その会社の親会社は、近隣の数県に支店を出すような超有名企業で、その経営者は県の商工会のドンと呼ばれる人で、テレビで時々見かける人でした。

「君たちは、大企業グループの一員となったのです」

そう言われてちょっと良い気分になったのですが、翌日からはそんな気分になる日はありませんでした。

親会社と入社した会社の各種サービスの家族もろとも強制加入させられ、各支店をバスで案内されると、通勤時間や距離を全く考慮しないで配属先を決められました。

僕は本社勤務になりました。片道約25キロ。同期入社で片道約50キロの人もいました。

タイムカードはなく、そのくせ少しでも遅刻すると欠勤扱い。昼休みは時々なく、定時退社は年に1、2回。サービス残業は当たり前、繁忙期には日を跨ぐ残業が続きましたが、残業手当に反映されていませんでした。

当時週休二日が普及し始めた頃でしたが、その考えは全くありませんでした。それどころか週に一度も休めないこともありました。僕の最高連続出勤は22日間。お盆や年末年始、ゴールデンウィークなどは7日間ほどの連休となっていましたが、当番で出勤しなければならず、3連休以上の連続休暇はありませんでした。

給料は総支給で20万円を超えていましたが、親会社の各種サービスや謎の天引きが多く、手取り14万円前後。いくら残業しても手取りが20万円を超えません。と言うか、20万円を超えないようにコントロールされている感がありました。

僕は「現場」担当でしたが、「営業」の社員の間では「横領」が当たり前に行われていて、しかも上司や社長までもがそれを知っているのにも関わらず、成績が良ければ黙認で、成績の悪い社員はそれを理由に退職に追い込む、と言う謎のシステムがありました。

売り上げが落ち込むと、給料日に明細書と一緒に謎の商品を渡されます。その商品はいつの間にか「買った」ことになっていて、代金は給料から天引きされています。

会社の目的は、社会貢献でもなく、お客様満足度を上げることでもなく、

『親会社に株式の配当金をお渡しすること』

そのために働け、そのために売り上げを上げろ、と言うものでした。きっと、そのためなら悪事は目を瞑ってやる、そんな考えだったのでしょう。

そんな会社に僕は15年間も勤務したのです。