ダメなおじさんの、ダメな人生 その17

最初は気が進みませんでしたが、無職ではなくなる、ダメなら今度こそ異業種へ転職しよう、という気持ちを持って入社しました。

すぐに経験の有無は関係ないことがわかりました。

何やら慌ただしい会社で、次々と仕事がやってくるのですが、どれもこれも雑用に近いことばかりでした。聞けば、前任者も前前任者も高卒でこのポジションだったそうなのですが、1年持たずに辞めていったそうです。そりゃそうだ。何だこの扱いは?と言いたくなります。

一応未経験の「本業」の仕事もたまに回ってくるのですが、何せ未経験だけによくわかりません。しかも雑用に追われ、その仕事に取り掛かる頃には定時を回っています。前の会社と違って残業があまりないので、教えてくれる先輩方たちは帰った後といった具合です。

それでもわからないまま一応進めておいて、後日にそれを見てもらうと、

「えぇ?!残業したんスか?!」

と驚かれる始末。それが何度か続いた結果、

「好意的に残業する中年の新人」

と見られるようになり、社内評価は上がり、給料も上がってしまいました。

特別何かできるわけではないのに高待遇な日々に、僕はすっかり満足してしまい、転職してよかった、と思うようになっていきました。

そう、すっかり舞い上がっていたのです。